株式会社リクルートが運営する「リクルート進学総研」は、高校3年生の大学に対する志願度、知名度、イメージを把握し、高校生の大学選びの動向を明らかにするため、2008年より「進学ブランド力調査」を実施している。今回、2021年の調査結果を発表した。
調査の結果、【関東エリア】の“志願したい大学”トップは、2年ぶりに「早稲田大学」が1位(昨年2位)、「明治大学」(昨年1位)が2位となった。男女別では、男子は2年連続で1位「明治大学」、女子は2年連続で1位「立教大学」、同率で2年ぶりに1位「青山学院大学」(昨年2位)となった。文理別では、文系は「立教大学」(昨年3位)が調査開始以来初の1位に。理系は3年連続で1位「東京理科大学」となった。
【東海エリア】では、「名城大学」が5年連続で1位、2位は「名古屋大学」(昨年同じ)。男女別では、男子の1位「名城大学」は昨年から変わらず。女子は「名古屋市立大学」(昨年3位)が調査開始以来初の1位に。文理別では、文系は3年ぶりに1位「南山大学」(昨年2位)、理系は4年連続で1位「名城大学」となった。
【関西エリア】では、「関西大学」が調査開始以降14年連続1位、2位は「近畿大学」(昨年同じ)。男女別では、男子は3年連続、女子は14年連続で1位「関西大学」。文理別では、文系は文理別の調査を開始した2009年以降13年連続で1位「関西大学」、理系は2年ぶりに1位「大阪大学」(昨年3位)となった。
国公立志向の割合をみると、関東、関西で私立志向が国公立志向を上回ったが、関東、東海で国公立志向が増加し、全てのエリアで国立大学のランキングがアップした。これは、今春導入された大学入学共通テストの変更が想定された範囲であったことや、大きな混乱なく実施されたことなどが影響したと考えられる。
また、2016年からスタートした私立大学の定員厳格化がほぼ落ち着いたことから、私立の難関大規模大学のランキングが上昇傾向にあることも注目すべき点といえる。
リクルート進学総研の小林浩所長は今回の調査結果をうけ、『コロナ禍でオープンキャンパスが中止となったことが、高校生の進路選択に大きな影響を与えたといえる。進学先検討で重視する項目では、キャンパスに関連した項目「校風や雰囲気が良い」「学生生活が楽しめる」「交通の便が良い」「自宅から通える」などが減少した。高校生の進路検討活動が制限される中、すでに知っている大学の中から選ぶ傾向が高まっているように思える。昨年から今年にかけて実施した「コロナウイルス流行による進路選択行動影響調査」では、今春入学した大学生は、十分な進路検討ができず、大学進学に対する満足度がコロナ禍以前に比べ大幅に減少していることが明らかになった。高校生の進路選択の視野が狭くなる傾向があることから、十分に検討して自分に合った進学先選びをしてほしい』と解説した。
調査対象は、関東エリア、東海エリア、関西エリアの高校に通っている2022年3月卒業予定者(調査時高校3年生)とし、有効回答数は12,271名。
※エリア区分
関東エリア(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県)
東海エリア(静岡県、愛知県、岐阜県、三重県の4県)
関西エリア(大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、兵庫県、滋賀県の2府4県)
参考:【リクルート進学総研】高校生に聞いた 大学ブランドランキング『進学ブランド力調査2021』(PDF)
「進学ブランド力調査2021」調査結果に対する『リクルート進学総研』所長 小林 浩の見解(PDF)