琉球大学、東北大学、京都大学など国内13の研究機関とインド、ベトナムなど海外6カ国の7研究機関による国際共同研究チームが世界中のメダカ科魚類を収集し、ミトコンドリア全ゲノムと核遺伝子の塩基配列解析からメダカ科魚類のルーツに迫ったところ、メダカの起源がインド亜大陸にあり、その後ユーラシア大陸全体に広がったことが分かった。
琉球大学によると、国際共同研究チームの研究で最も古い時代に分岐したメダカ科魚類の種が西インドの西ガーツ地方にいるセトナイメダカと判明、東南アジアや東アジアにすむすべてのメダカ科魚類がセトナイメダカと姉妹関係にあることが明らかになった。
化石情報を基にセトナイメダカとその他のメダカの共通祖先との分岐を探ったところ、恐竜が地上を支配していた中生代後期の7,400万年前と分かった。この時代はインド亜大陸がゴンドワナ大陸から分離してインド洋を北上していた。その後、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して合体したあと、メダカ科魚類がアジア各地に分布を広げたとみられる。
メダカ科魚類はサヨリやトビウオなどが入るダツ目に属する。メダカ以外の魚の多くが海水魚だが、この分岐もインド亜大陸で起きたと推定されている。メダカ科魚類の系統進化の歴史が明らかになったことで、ダツ目の中でメダカがなぜ、淡水域に生息するようになったのかを解明する一歩となりそうだ。
論文情報:【Biology Letters】Mesozoic origin and ‘out-of-India’ radiation of ricefishes (Adrianichthyidae)