名古屋大学未来社会創造機構とシャープ、名古屋大学発ベンチャーのポットスチルは、シャープのモバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した自動車運転支援の実証実験を30日から始める。高齢ドライバーの事故多発を受けた対応で、名古屋大学は実証実験で得た知見を生かして新たな運転支援ソリューションの開発に取り組む。
名古屋大学によると、実証実験は12月10日まで続け、公募で選ばれたロボホンオーナー約50人が参加する。名古屋大学が全体の計画を立案、シャープがロボホンを運転支援に活用するためのアプリケーションを開発し、ポットスチルが収集したデータを分析する。実験場所は全国の公道となる。
過去の研究で高齢ドライバーは友人や配偶者よりロボットからの指摘を受け入れやすい傾向があることが明らかになっていることから、名古屋大学はロボホンを介すことで運転支援の効果が高まると期待している。音声ナビ機能で得られない同乗者効果も出るとみている。
高齢ドライバーが引き起こす交通事故が近年多発し、社会問題になってきた。高齢化社会の進行が今後も続くことから、安全運転を支援するシステム整備が喫緊の課題に浮上している。このため、名古屋大学はスマートフォンやロボット、クラウドシステムなどを連動させた運転支援の研究を進めている。