北海道大学は北海道富良野市の産業発展、住みよい街づくり、スマートシティ推進に向け、富良野市、日本オラクルと連携することを決めた。今後、3者が共同してスマートシティ推進政策を立案する。
北海道大学によると、富良野市は北海道大学に対し、「ふらのワイン」販売増を通じた地域産業の発展と、カーボンニュートラル実現に向けたごみリサイクルの不適切分別解消を市の課題として提示している。北海道大学は博士課程学生を対象とした教育プログラム「スマート物質科学を拓くアンビシャスプログラム」の履修科目として、ワークショップの「北海道富良野市のスマートシティ推進支援」を8月末から6カ月間にわたって実施する。その際、日本オラクルの支援を受けながら、デジタル技術の活用、データ分析のトレーニングを行うと同時に、富良野市が提示した課題の解決に取り組む。
富良野市で生産から収穫、製造、販売まで行っているふらのワインは市の基幹産業の1つに成長しているが、コロナ禍による観光客の減少で新たな販路開拓が求められている。これまで蓄積した販売データを分析するとともに、物販店や飲食店の視察を進めてコアなファン層の発掘と効率的な販売施策案をまとめる。
富良野市はごみの焼却施設を持たず、家庭から出る一般廃棄物のリサイクル率が約90%に達しているが、市民のリサイクル意識が高い一方で、一定量の不適切な分別が問題になっている。このため、市内約600カ所の資源回収ステーションのデータを分析、収集担当者から聞き取り調査を実施して対策を打ち出す。