大学の学部学生が2021年度、全国で262万5956人を数え、過去最多となったことが、文部科学省の学校基本調査(速報値)で分かった。学部の女子学生は119万6629人で、前年度を3164人上回って過去最多を記録。一方で学部の女子学生数の伸び率は鈍化して0.2%台となり、伸び続けていた40年間の中では過去最低となっている。
学部の女子学生数は、男女別の統計を取り始めた1955年度以降でみると、大学進学者数が大きく減少した1979年度~1981年度の3年間は減少したものの、1982年度以降40年間伸び続けている。学部学生全体に占める割合も、前年度より0.1ポイント高い45.6%で、過去最高を記録した。女子比率が22.6%だった1982年度から倍増している。
一方、学部の女子学生数の伸び率は0.265%と女子学生数が伸び続けていた40年間で過去最低。学部学生全体が減少した年度は、女子学生数の伸び率も低いという傾向は見られたが、今回のように、学部学生全体が伸びている中で、女子学生数の伸び率が鈍化したのは、初めて。
短期大学の学生数は10万2,231人で、前年度より5,365人少なくなった。科目履修生等を含まない本科の学生数は1993年度の52万2618人をピークに28年連続で減少しており、9万9415人(うち女子が8万7266人)で10万人を割っている。
大学進学率の伸びには、女子学生数の伸びが大きく関わっているため、学部の女子学生数の伸び率の鈍化は、影響が大きいと考えられる。今までは、短大の募集停止により女子が集まりやすい大学の学部へ転換する例が多く見られたが、近年では募集停止して短大をなくしてしまうだけの例も見られるようになったことや、新設される大学の学部が、男子比率が高いデータサイエンス系が多いことが影響しているのではないかと予測される。