近畿大学建築学部は、2021年6月2日から7月30日にかけて、建築学部生および教員約1,100人を対象に、コロナ禍における“学生の思い”を共有するための調査とワークショップを実施した。
COVID-19の陽性・濃厚接触を経験した学生が参画し、教員が協働して実施した今回の調査とワークショップでは、約1,000人の回答、400を超えるコメントが集まった。
調査によると、感染者が身近にいると回答したのは、全体の約半数で、4年生だけでみると6割にものぼった。COVID-19の情報入手先は、新聞やTVのニュースが70%、SNSは15.6%。COVID-19について、約7割が深刻に受け止め、危機意識を持っていたが、本ワークショップによって深刻に受け止める層は全体の9割に増え、約3割が改めて高まったと回答した。
今欲しいもの、あったらよいものについて、半数がCOVID-19環境下での情報交換・交流、3割超が教員との学びの場を求めており、コロナ収束後に注目するテーマについて、約半数が「テレワークなど新しい生活スタイルを受け止めるデザインや技術」、「感染症対策を契機とした建物のデザインや計画」に興味をもっていることがわかった。
学生たちは、「自粛」の必要性はわかるものの、自分や家族の生活環境が厳しいものもおり、学生たちのストレスは大きくなっている。学生時代をこんな形で過ごさなければならない状況について、誰にぶつけたらよいかわからないフラストレーション、先の見えない「自粛」(の長期化)しか示さない社会に対する違和感、とくに政府や行政自体が自粛していないという事態に対する怒り、緊急事態宣言解除と自粛要請の齟齬などへの違和感も吐露された。
近畿大学では、この取り組みによって共有した、学生の思いや悩み、表層的理解ではない「気づき」を、今後の心理的支援や教育的対応に生かしていく。
参考:【近畿大学】建築学部全学生を対象に、コロナ禍における”学生の思い”を調査 学生の情報入手先は、新聞やTVからが70%、SNSは15.6%と回答