2021年度の大学入試で東京圏など三大都市圏の大学志願者が、地方より大きく減少したことが内閣府のまとめで分かった。特に志願者の減少は三大都市圏の私立大学で目立ち、内閣府は18歳人口の減少とともに、地元志向が高まっているためではないかとみている。
内閣府によると、1~3月に実施された2021年度の大学入試志願者数は、対前年度比で全国平均が13.3%の減。三大都市圏の東京圏は13.5%減、近畿圏は14.9%減、東海圏は14.6%減とそろって全国平均を上回る落ち込みを示した。
これに対し、地方は北海道が13.7%減と全国平均を上回ったものの、東北7.8%減、関東・甲信越7.7%減、北陸11.9%減、中国7.2%減、四国7.9%減、九州・沖縄10.1%減と全国平均より低い減少率になっている。
国公立大学の志願者は3.2%減で、うち三大都市圏0.7%減、地方2.5%減と難関の名門校を多く抱える三大都市圏の落ち込みが目立たなかった。しかし、私立大学の志願者減14.5%のうち、地方が1.3%減なのに対し、三大都市圏は13.2%と大きな減少を示している。
私立大学の志願倍率は、地方が0.1~0.5ポイント減の範囲内にあるのに対し、東京圏、近畿圏が対前年度比0.9ポイント減、東海圏が0.5ポイントを記録、地方を上回る落ち込みぶりを示した。
新型コロナウイルスの感染拡大前は、東京圏に関心を持つ若者が増える傾向にあったが、内閣府はコロナ禍を経験する中で地方に関心を持つ若者が増えていると分析している。