横浜市立大学医学群精神医学教室は、子どもの自殺予防を目的に神奈川県内の中学・高校教員にオンライン講座を開講する「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト」を始動させた。宮崎秀仁助教が中心となり、2年に3回ずつ自殺を考える子どもの心理や学校で実施できる予防策などを解説する。
横浜市立大学によると、オンライン講座は3種あり、各回60分。精神医療編では自殺と関係する脳と心の状態や精神疾患の治療と予後、心理支援編では自殺を考える子どもの心理的背景と実際の対応、社会支援編では自殺総合対策大綱に基づいて学校でできる自殺予防を解説する。既に初回の講義が終了したが、横浜市立大学は随時、追加の参加校を募集している。
新型コロナウイルスの感染拡大でメンタルヘルスの問題を抱える子どもが急増している。厚生労働省によると、2021年1月から7月までに自殺した児童や生徒は全国で270人を数えた。内訳は小学生7人、中学生75人、高校生188人。年間で過去最多となった2020年の同じ時期を29人上回っている。
夏休み明けが子どもの自殺が増える時期といわれているが、学校教員の自殺予防に関する知識と経験は十分といえない。このため、支援プロジェクトでは学校教員とともに子どもたちの自殺リスクを軽減することを目的に自殺に関する知識の定着と偏見の解消を図るオンライン講座を開講することにした。
参考:【横浜市立大学】学校教員の力で子どもの自殺を予防する 「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)」 が始動