2014年度の私立大学全収入に占める補助金の割合が25年前に比べて3ポイント近く低下し、学生が納付する学納金の割合が7ポイント余り上昇していることが、文部科学省のまとめで分かった。文科省の私学改革に関する有識者会議では、財政基盤がより脆弱化しているとして、助成制度の見直しを求める声が相次いだ。
文科省によると、2014年度の全私立大学の収入に占める学納金の割合は76.3%で、25年前の1989年度から7.3ポイント増加した。これに対し、補助金の割合は10.2%にとどまり、25年前に比べて2.8ポイント低下している。
経常的経費に占める経常費補助金の割合を見ても、ピーク時の1980年度には29.5%を数えたが、その後徐々に減少、2015年度に9.9%と10%の大台を割った。私立大学の経常的経費はこの10年間、徐々に増加しているにもかかわらず、経常費補助金の総額は微減傾向にあり、その分学納金依存が強まっていることがうかがえる。
この点について有識者会議では「収支の改善が私立大学最大の課題。支出削減や寄付金集めには限界があり、経常的経費の増加に伴い補助金交付額を増やすべきだ」、「高等教育に対する支援自体を増やし、私学助成を国公立と同等にする必要がある」と補助金増を求める声が相次いだ。
その一方で「まずは私立大学自体が奨学金の充実と連動した授業料の値上げ、寄付金など自主財源の拡充、支出の削減に努めるべきで、私学助成に対する議論はそのうえで進める方が良い」との反論も出た。