2021年10月14日、追手門学院大学では福島県立福島高校(福島県福島市)の生徒たちの探究学習を支援するため、日中豪越をオンラインで結んで学びあうワークショップを開催。日本の国際化や英語教育の在り方について研究を行う生徒たちとともに意見交換を行った。
福島高校の生徒たちは「福高生が国際機関で活躍するためには」というテーマを掲げ、国連等の国際機関で働く日本人職員が少ないことを課題として日本の英語教育の在り方を探究している。そのなかで中国、韓国、台湾の英語教育の事例を調べて日本との比較を行っており、今回、追手門学院大学国際教養学部が支援してワークショップの開催に至った。
当日は、福島高校の2年生4名と追手門学院大学で学ぶ中国人留学生1名、オーストラリアのアデレード大学で非英語話者に対する英語教育を担当する教員、ベトナムのハノイ国家大学で日本語を教える教員2名が参加した。追手門学院大学からは英語教育法が専門の松宮新吾教授のゼミの学生14名が参加した。
ワークショップでは、日本の英語教育と海外の英語教育の違いをテーマに意見を交換した。ベトナムからは、ベトナムの英語教育の状況や国民性を紹介、オーストラリアからは英語を学ぶ各国の学生の特徴や、コミュニケーション、言語理解の仕組みについて学んだ。その後、松宮ゼミの学生たちが日本の英語学習を取り巻く環境、特に初等中等教育段階での指導要領の変遷や、大学入学共通テストとセンター試験の比較、TOEICやTOEFLの得点率などについて発表。また、韓国や中国での英語教育について、留学生から実際に聞いたインタビューを紹介した。
福島高校の生徒たちは、教員や大学生たちに質問をするなど、4各国から国・世代を越えてオンラインで繋がった機会を活用して学びを深め「新たな視点を得ることができた」といった声が寄せられた。ホスト役を務めた国際教養学部3年生の町田聖弥さんは「自分は高校時代に海外の方と話した経験がなかった。大学に来てできた海外との繋がりを生かして、高校生に学びの機会を提供できたことがよかった。また、自身も非英語圏の英語教育について調べるよい機会になりました」と振り返った。
この国・世代を越えたワークショップは今後も不定期で開催を行う予定で、高校生らは2022年2月末に実施する研究発表に向けて探究を進めていく。