貸与型奨学金の返済延滞者が相次いでいる問題で、日本学生支援機構は出身大学別の延滞者割合と、延滞防止に向けた各大学の取り組みを公表した。返済義務や救済措置への理解をさらに深める目的もあり、過去5年間の需給終了者に占める3カ月以上延滞している人の割合も大学別に示している。
日本学生支援機構によると、情報は同機構のホームページで公開している。大学のほか、大学院や短期大学、高等専門学校、専修学校も含め、対象は全国3,600校に上る。
調べたい学校を選ぶと、2010~2014年度に卒業や中退などで受給を終えた利用者数と、そのうち、2015年度末時点で返済を終えた人、返済猶予措置を受けた人、3カ月以上の延滞者などの人数が表示される。同時に、2015年度時点で貸与型奨学金を受給している在学生の数も示した。
東京大学を例に取ると、過去5年間の需給終了者数が4,105人、返済猶予者が在学中1,351人、一般65人と出てくる。貸与終了者に占める3カ月以上の延滞者の割合は、2013年度末で0.6%、2014年度末で0.5%だった。
返済義務や救済措置の周知については、北海学園大学が手続きの遅延や期限順守できないことがあった場合、反省文を書かせているほか、群馬大学が収支事項をあらかじめ記入した見本を事前に配布している。和洋女子大学は卒業前に変換猶予者向けの説明会を開いており、こうした各校の取り組みも紹介されている。