2021年度に私立大学に進んだ新入生の実験実習料を含めた1人当たりの初年度納付金総計が前年度を0.2%上回る148万2,964円となったことが、文部科学省の集計で分かった。入学金や施設整備費、実験実習料は微減傾向が続いているが、授業料の増加傾向から全体としては微増になっている。
調査は日本私立学校振興・共済事業団から私立大学597校、私立短期大学282校、私立高等専門学校3校のデータ提供を受け、集計した。
それによると、実験実習料を除いた1人当たりの初年度納付金は私立大学が135万7,080円、私立短大が112万7,586円、私立高専が97万9,013円。私立高専は前年度並みだったが、私立大学と私立短大は0.1~0.3%の微増となった。
大学院は博士課程前期が105万4,844円、博士課程後期が87万194円、専門職学位課程が134万4,817円。専門職学位課程が前年度より1.6%安くなったものの、博士課程前期と後期は0.5~2.7%増えている。
私立大学の学部別では、医歯系学部が489万539円で、前年度より0.8%増えた。文系学部は118万8,991円、理系学部は156万6,262円、その他学部は145万9,612円。いずれもほぼ前年度並みだった。
1人当たりの初年度納付金総計は2008年度に145万3,075円だったが、東日本大震災後を除いて微増が続いている。この間、各家庭の可処分所得が減少しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大で減収を強いられる家庭が多く、学生を取り巻く環境が厳しさを増している。