金沢工業大学(石川県野々市市)が作成したカリキュラムが、初めて海外で採用されることになりました。採用したのは、2015年10月開学予定の越日工業大学(ベトナム・ホーチミン市)です。8月24~28日に金沢工大のキャンパスにおいて教員8名が研修を受け、カリキュラムの主柱である「プロジェクトデザイン教育」の授業運営方法を修得し、授業で用いる教材やテーマを作成。この研修は、今回で第三回目となり、開学直前の最終研修となります。
越日工業大学が金沢工大のカリキュラムを採用に至った経緯は、ベトナムが2020年までに産業立国を目指しており、日本企業を積極的に誘致するためです。現状、日本人経営者のもとで実際に会社を動かしていく技術者やマネージャーが極端に不足していることが、日本企業のベトナム進出にあたっての問題となっています。そこでベトナム経済の中心地、ホーチミン市にあるホーチミン市工業大学(以下、HUTEC)が、日本のものづくりを理解した技術者、マネージャー育成を目指す日本型ものづくり大学として、越日工業大学を市内に新たに設立することになりました。
2014年5月、HUTECは日本の主な理工系大学を視察しカリキュラムを調査。その結果、「チームで、多様な解決策が存在する問題に取り組み、解決すべき課題を明確にして、制約条件のもとで解決策を創出し、実施する」という教育プログラムをカリキュラム全体で実施している金沢工大が日本型ものづくり大学として最も優れていると評価し、採用することになりました。これに伴う協力関係に関する覚書の調印は2014年6月に行われています。
出典:【金沢工業大学】
金沢工業大学がカリキュラムを初めて「海外輸出」 金沢工業大学のカリキュラムを採用した越日工業大学の教員8名が金沢工業大学で研修