自然科学の分野で顕著な業績を収めた女性研究者に贈る一般財団法人「女性科学者に明るい未来をの会」の第42回猿橋賞に、東京工業大学理学院の関口仁子教授が選ばれた。原子核を形作る「三体核力」を実証したことが高く評価されたもので、表彰式は29日、東京都中央区神田錦町の学士会館で催される。
東京工業大学によると、関口教授は原子核物理学の研究者。原子の中心部の原子核を構成する中性子や陽子が密集する仕組みを研究する中で、これらの粒子が3つの単位でつながる「三体核力」と呼ばれる力が密集を実現していることを実験で初めて証明し、2002年に論文発表した。
猿橋賞は気象庁気象研究所地球化学研究部長などを歴任し、2007年に死去した地球化学者の猿橋勝子博士が創設した女性科学者に明るい未来をの会が主催し、自然科学の分野で業績が顕著な50歳未満の女性研究者に1981年から毎年、贈っている。