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歯周病治療器の有効性を治験で実証 東北大学 - 大学ジャーナルオンライン

 東北大学の佐々木啓一教授らの研究グループは、同大学で研究開発を行ってきたラジカル殺菌歯周病治療器の臨床的有効性を医師主導治験において実証することに成功した。純国産の新規医療機器として承認申請を行い、早期の臨床導入を目指す。

 歯周病は、デンタルプラークに含まれる歯周病原因菌によって引き起こされる疾患。病状の進行に伴って歯を支える骨が失われ、最終的には歯の喪失につながる。重度の歯周病になると歯周ポケットが深くなってしまい、治療器具が患部まで十分に届かないため治療が困難になる。国内の歯周病患者(4mm以上の歯周ポケットを有する者)は年齢とともに増加し、35歳以上の罹患率は40%以上にもなる。

 研究グループは、歯周病を効率的に治療するために過酸化水素を用いた。消毒薬として用いられる3%過酸化水素に、青色の光を照射することで発生するヒドロキシルラジカル(OH·で表される活性酸素の一種)を応用した殺菌法を考案。臨床研究推進センターの支援の下、中等度および重度慢性歯周炎患者を対象として、ラジカル殺菌歯周病治療器を開発した。

 2015年から2016年にかけて、開発した治療器の臨床的な有効性を検証するために東北大学病院主導で治験(被験者53人、歯周病罹患歯142本)を行った。その結果、本治療器を用いた歯周病治療は、従来の治療法よりも中等度・重度の歯周炎治療において有効であり、歯周病菌を減少させて歯周ポケットを浅くする効果に優れることが実証された。

今後は、歯周病患者に少しでも早く研究成果を還元できるように、東北大学と企業で新規医療機器としての承認取得に向けた取組を行い、早期の臨床導入を目指すとしている。

論文情報:【Scientific Reports】Adjunctive antimicrobial chemotherapy based on hydrogen peroxide photolysis for nonsurgical treatment of moderate to severe periodontitis: a randomized controlled trial

東北大学

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