常磐大学は、第5回常磐大学社会安全政策研究所主催の公開シンポジウム「今、ウクライナの危機を考える」を2022年5月31日(火)、常磐大学センターホールで開催した。会場には学生、教職員約40名、併せてオンライン配信には128名が参加した。
公開シンポジウムでは、「今、ウクライナの危機を考える」をテーマに、地政学的文脈に沿って、この戦争がなぜ起こったのかを理解し、紛争の行く末を議論した。国際社会として、そして日本として何ができるのか、その限界も含めて話し合った。
登壇者は、ポーランド近・現代史専門の常磐短期大学安井教浩教授、国際組織法・国際機構法専門の渡部茂己常任理事、国際法・国際人権法・国際刑事法専門の尾崎久仁子特任教授で、元国連職員の富田敬子学長がモデレータを務めた。
安井教授は、長く複雑に絡み合ったその歴史を振り返ることにより、今日の対立の背景を説明した。渡部常任理事は、集団安全保障のメカニズムについて触れたうえで、ロシアのウクライナ侵攻の引き金となったNATOの東方拡大について解説。また、国連安全保障理事会を含む、国際機構の抑止力の限界に触れた。尾﨑特任教授は、ロシアによるウクライナ侵攻・大量虐殺を戦争犯罪の視点から語り、「ICCを離脱しているロシアの大統領を誰が、どう裁けるのか?」を説明した。会場の学生からも「戦争は止めることはできないのか」「在日ロシア人に差別するのはおかしい」などの質問があり、登壇者とともに議論を深めた。