トノサマバッタの食料利用に関する研究に取り組んでいるTAKEO株式会社は、弘前大学と共同で2022年6月29日から「トノサマバッタせんべい」の試験販売を開始した。
2020年8月より、弘前大学農学生命科学部の管原亮平助教はトノサマバッタの生産技術開発、TAKEOはその実証実験およびトノサマバッタ食品の開発を担当している。共同研究2年目を迎え、トノサマバッタの養殖技術開発にも目途が立ち始め、飛躍を見据える段階となった。
食料としてのトノサマバッタの魅力は、コオロギなどのようにエサに多量のタンパク質を必要とせず、イネ科などの草だけで育つことができること。草は牧草と同じように栽培したものでも、自然界に普遍的に存在する雑草を活用することも可能だ。味は牧草の爽やかな香りにエビを合わせたような風味がして唯一無二のおいしさがあり、ローストするとお茶や海苔のような香ばしい風味が立つという。
今回は誰でも手に取りやすい商品形態として、粉末化したトノサマバッタを練りこんだせんべい、その名も「トノサマバッタせんべい」を開発した。
開発にあたっては弘前大学の多様な専門分野の学生が協力し試食会を通じて検討を重ね、青森県の大成堂せんべい店で商品化した。原材料は小麦粉、トノサマバッタ、塩の3つだけ。小麦粉は青森県産の「ねばりごし」、トノサマバッタは弘前大学の技術をもとにTAKEOが神奈川県の「むし畑※」で育てたトノサマバッタ、食塩は沖縄の海水塩。究極にシンプルな素材にトノサマバッタの爽やかな牧草のような香り、エビに似たうまみと香ばしさがほんのり香る、自然派せんべいに仕上がっている。
「トノサマバッタせんべい(4枚入り)」は390円(税込)。数量限定で、TAKEOのネットショップで販売している。
※「むし畑」では神奈川県厚木市で農業としてトノサマバッタの養殖に取り組み、無農薬栽培した牧草と自然採集のイネ科草本を組み合わせて、手作業で丁寧に飼育をしている。