全国22の大学、大学共同利用機関を対象に実施している文部科学省の「研究大学強化促進事業」の中間評価で、文科省は京都大学、大阪大学、東北大学、早稲田大学、自然科学研究機構の5機関に6段階評価の最高位に当たるSランクを与えた。
文科省によると、同事業は大学などで研究マネジメントを推進する「リサーチ・アドミニストレーター」の確保、活用と研究力強化を目指して2013年度から進めている。事業推進委員会で各機関から提出された報告書を審査し、最高位のSから最低位のDまで6段階で評価した。
優秀とされるSランク評価を受けた5機関のうち、京都大学は人文・社会科学系の外部資金獲得で、支援案件の採択率が約7割になったことが評価された。大阪大学はリサーチ・アドミニストレーターが知恵を出し合うことで研究開発に最大限の効果を上げていることが認められている。
東北大学は本部、部局、研究室など所属の異なるリサーチ・アドミニストレーターの協議会を月1回開催し、連携や情報共有化を進め、自然科学研究機構はプレスリリース配信サービスの浸透や、全機関が参加するコンソーシアム設立が高評価の対象となった。早稲田大学は総長を議長とする全学研究会議の機能強化が注目された。
標準的評価のAランクは、北海道大学、東京大学、名古屋大学など15機関、構想実現にいっそうの努力が必要とされるBランクは、岡山大学と慶應義塾大学で、構想実現は難しいとされるCランク、事業中止が妥当とされるDランクはなかった。
同事業で雇用、配置されたリサーチ・アドミニストレーターが2016年度で244人になっていることも分かった。