大塚グループの大塚製薬(東京、樋口達夫社長)と大塚製薬工場(徳島県鳴門市、小笠原信一社長)は、大学発バイオベンチャー企業のメガカリオン(京都市、三輪玄二郎社長)の第三者割当増資を引き受け、2社で10億円を出資する。メガカリオンはiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の血小板製剤事業化を目指す。
大塚製薬によると、メガカリオンは東京大学医科学研究所の中内啓光教授、京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之副所長らが開発したiPS細胞から血小板を作る技術を実用化するため、2011年に設立された大学発のバイオベンチャー企業。
少子高齢化の進展で献血血液製剤由来の血液製剤不足が心配されている。大塚製薬は抗血小血板「プレタール」を開発するなど血小板研究を進めており、今回の出資で研究の相乗効果を得られると判断した。大塚製薬工場は精製したiPS血小板を保護する保存液の共同研究契約を2016年、メガカリオンと結んでいる。出資額は両社5億円ずつ。
メガカリオンは大塚グループ以外にも、産業革新機構(東京、勝又幹英社長)や複数のベンチャーキャピタルからも出資を受ける予定。出資総額は37億円で、再生医療の研究基盤強化、量産体制の構築に充て、血小板製剤の事業化を加速させる。
大塚製薬は「メガカリオンの開発を支援することでiPS細胞を用いた再生医療分野でわが国の国際競争力強化に寄与したい」としている。