大阪大学の浅田稔教授はアンドロイド開発技術を駆使してレオナルド・ダ・ヴィンチを作製しました。万博開催中であるイタリアのミラノ市、ダ・ヴィンチ博物館で披露した後、大阪でも展示されます。
最後の晩餐やモナ・リザの作者であるレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年-1519年)は科学と芸術を始め様々な分野を極め、それらの融合を成し遂げた万能人として知られています。研究分野が細分化し、大局的な視野を失いがちな現代においてはダ・ヴィンチが行った分野の統合が求められています。日本が誇るアンドロイド技術でこの偉人を再現し世界の子供たちに披露することで科学・技術・芸術の広い分野に興味を持ってもらい、次世代を担う人材の育成に貢献します。
ダ・ヴィンチアンドロイドは従来のアンドロイドと同様に外部からの操作で動き、多彩な表情を表現することもできます。一方、これまでのアンドロイドはモデルとなる人物が存在する物がほとんどだったのに対して、今回の試みでは歴史上の人物を再現した点が異なります。体の特徴は諸説存在するため、外見を決めるのには大きな苦労がありました。自画像や文献などをもとにコンピュータで3Dデータを作製してはダ・ヴィンチ博物館と意見交換をすることで表情やひげなど体の特徴を決定していきました。
こうして作られたダ・ヴィンチアンドロイドはロボットの科学と技術を子供たちに伝える生きた教材として展示されます。2015年9月4日から9月27日まではミラノに、12月23日から2016年2月14日まで大阪市のグランフロント大阪に登場します。ダ・ヴィンチアンドロイドと併せてアンドロイド技術の開設や、ダ・ヴィンチの業績の展示なども行われます。浅田教授らはダ・ヴィンチアンドロイドを使って科学技術の教育・啓蒙をリードしていきたいとしています。イタリア、日本での展示を終えた後も積極的に世界中でのイベントや展示会などに参加していくようです。
出典:【大阪大学】現代に蘇る「ダ・ヴィンチアンドロイド」完成、【大阪大学】ダ・ヴィンチミュージアムネットワーク(PDF)