Warning: include(crawler/jobboard.php): failed to open stream: No such file or directory in /home/univdev/univdev.wpx.jp/public_html/wp-content/themes/univ-journal/functions.php on line 284

Warning: include(): Failed opening 'crawler/jobboard.php' for inclusion (include_path='.:/opt/php-7.4.33-2/data/pear') in /home/univdev/univdev.wpx.jp/public_html/wp-content/themes/univ-journal/functions.php on line 284
東京大学と京都大学、インフルエンザウイルスの遺伝に関する巧妙な仕組みを解明 - 大学ジャーナルオンライン

 東京大学と京都大学、米国ウィスコンシン大学の研究グループは、インフルエンザウイルスが子孫ウイルスに遺伝情報を伝える仕組みを明らかにした。

 あらゆる生物において、子は親からゲノム(遺伝情報)を受け継ぐ。ウイルスも同じく、種を存続させるためにはゲノムを子孫ウイルスへ伝える必要がある。インフルエンザウイルスは8本のRNAをゲノムとして持つが、それがどのように子孫ウイルスに伝えられるのか、詳細は未解明とされていた。

 本研究グループは以前に、8本のウイルスRNAが“1+7”という特徴的な配置(中心の1本のRNAを7本のRNAが取り囲む配置)に集められて子孫ウイルス粒子に取り込まれていることを発見した。しかし、ウイルスRNAが“1+7”という配置をとることの意義はよくわかっていなかった。

 そこで本研究では、さらに解析を行い、通常の子孫ウイルス粒子の中に取り込まれているRNAに加え、ウイルスRNAを1本欠き7本しか持たない変異ウイルスを合成し、その変異ウイルス粒子の中に取り込まれたRNAも調べた。

 結果、変異子孫ウイルスにも“1+7”に束ねられた8本のRNAが取り込まれていることがわかった。その上、この変異ウイルスに取り込まれた8本目のRNAは、インフルエンザウイルスのRNAではなく、感染細胞に存在するリボソームRNAであることがわかった。

 この発見から、インフルエンザウイルスが子孫ウイルスにゲノムを伝えるとき、8本のRNAを“1+7”に集合させる過程が重要であることがわかった。さらに、ウイルスのRNAが足りないときには、細胞のリボソームRNAを奪い取る仕組みを持つことが明らかとなった。
 
 本成果は、ウイルスRNAの集合を標的とした新しい抗インフルエンザ薬の開発に繋がることが期待されている。

論文情報:【Nature Communications】Importance of the 1+7 configuration of ribonucleoprotein complexes for influenza A virus genome packaging

東京大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

京都大学

「自重自敬」の精神に基づき自由な学風を育み、創造的な学問の世界を切り開く。

自学自習をモットーに、常識にとらわれない自由の学風を守り続け、創造力と実践力を兼ね備えた人材を育てます。 学生自身が価値のある試行錯誤を経て、確かな未来を選択できるよう、多様性と階層性のある、様々な選択肢を許容するような、包容力の持った学習の場を提供します。[…]

Avatar photo

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。