北海道大学と塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバⓇ」(開発番号:S-217622)が、2022年11月22日、厚生労働省から製造販売を緊急承認された。国産初の治療薬で、緊急承認制度の活用も初めて。
北海道大学、塩野義製薬によると、ゾコーバは新型コロナウイルスの3CLプロテアーゼという増殖に必須の酵素を阻害して治療する仕組み。飲み薬で、1日1回5日間投与する。重症化リスクの低い患者も軽症段階から服用できるのが特徴。軽症・中症患者を対象にした臨床試験で症状の改善効果と抗ウイルス効果、非臨床試験で各種変異株に対する抗ウイルス活性が確認されている。医療機関への提供が始まったことで、第8波の感染拡大が続く新型コロナ治療の新たな選択肢として期待されている。
北海道大学と塩野義製薬は2018年、北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所にシオノギ抗ウイルス薬研究部門を設置した。新型コロナの感染拡大を受け、同研究所の門澤洋文教授、佐藤彰彦客員教授と塩野義製薬の研究スタッフらが共同研究の形で治療薬開発を進めていた。
塩野義製薬は今後、正式承認の取得を進めるとともに、感染患者の同居家族を対象とした発症予防試験や12歳未満の小児対象試験を行う方針。
参考:【北海道大学】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬ゾコーバⓇの緊急承認制度に基づく製造販売承認取得について(PDF)
【塩野義製薬】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバⓇ錠125mg」の緊急承認制度に基づく製造販売承認取得について