名古屋工業大学は2024年度入試から物理工学科、情報工学科、社会工学科の環境都市分野に女子特別推薦枠を設ける。女子の理工系分野進出を進め、経済界のニーズに応えるのが狙いで、大学入学共通テストを課さない学校推薦型選抜で実施する。
名古屋工業大学によると、募集人員は物理工学科、情報工学科が各5人、社会工学科の環境都市分野が3人。ひと足早く女子特別推薦を実施している電気・機械工学科の15人と合わせ、枠が合計28人に広がる。
近年、ものづくりの現場ではさまざまな視点からの研究・開発が強く望まれ、これまで数が少なかった女子の進出を期待する声が高まっている。しかし、名古屋工業大学の女子入学者割合は全体の18%にとどまり、経済界の要望に応えられていない。
名古屋工業大学は1994年度から当時の機械工学科(現電気・機械工学科)に女子特別推薦枠を設けた。その結果、1993年度に2人しかいなかった機械工学科の女子入学者が現在、20人を超えている。この点に目をつけ、女子特別推薦を他の学科に広げる。
名古屋工業大学は女子特別推薦の拡大が大学全体の女子入学者を増やすとともに、女子が工学分野をキャリアパスに選択する後押しになると期待している。