国立大学協会は、政府の骨太の方針で国立大学の人事給与マネジメント改革が打ち出されたのを受け、林芳正文部科学相に対し、改革の基本的な方向性をまとめた提言書を手渡した。林文科相は内容に理解を示し、大学と一体になって改革を進める考えを示した。
提言書は国立大学協会会長の山極壽一京都大学総長名で、山極会長と副会長の松尾清一名古屋大学総長が文科省に林文科相を訪ね、手渡した。
提言書は国立大学の現状を少子高齢化、地方創生、グローバル化、人生100年時代など大きな時代の変化が押し寄せる中、人件費や教員数の削減を余儀なくされ、教育研究基盤の弱体化を招いているとしたうえで、大学改革の柱の1つとして人事給与マネジメント改革を挙げた。
具体的な方向性としては
■各世代の人員構成バランスに配慮した人事システムの構築
■教員や研究者の流動性向上
■業務の効率化などによる教員の教育、研究に充てる時間の確保
■年俸制などさまざまな給与体系の導入
■公私立大学や民間企業、海外の大学とのクロスアポイントメント(※1)の導入
■海外を含む多様な外部資金の獲得
-の6項目を掲げている。
※1 クロスアポイントメント 研究者が大学や民間企業、公的研究機関のうち、2つ以上と雇用契約を結ぶこと
参考:【国立大学協会】林芳正文部科学大臣に対して「国立大学の教育研究活性化を促進する人事給与マネジメント改革の基本的な方向性について」を手交