千葉大学では、17歳から大学で学べる「飛び入学」の入試方式を拡充することを発表。2020年春から工学部総合工学科情報工学コースにおいて、「日本情報オリンピック」の予選の成績、課題論述、2次面接による“飛び入学生”の受け入れを開始する。
千葉大学は、ビッグデータ処理、人工知能などの最先端技術を身につけた高度IT人材の育成を目指し、プログラミングが得意な“飛び入学生”に対し、1年次から情報科学の専門教育を行う。
1998年、現在の学制で日本初の飛び入学生を受け入れた千葉大学。2020年からは、工学部総合工学科情報工学コースで、日本情報オリンピックを活用した飛び入学が導入されることとなった。対象は、情報工学の基礎から幅広い応用まで強い興味をもつプログラミングが得意な高校2年生。
入試方法は、日本情報オリンピックの予選に参加し、その後、2019年12月に数理情報科学の問題解決能力を測る課題論述及び2次面接を行う。合否は、日本情報オリンピック予選の成績、課題論述、2次面接の成績を合わせて総合的に評価する。
入学後、総合工学科情報工学コースでは、飛び入学生向けに、関連分野の研究者を目指せるよう、1年次(17歳)から 最新の研究に触れる教育を行う。通常、学生が研究室へ配属され、最新研究を行うのは4年次(21歳以上)からだが、飛び入学生は1,2年次にプログラミングの基礎である情報数理についての少人数教育、課題演習(PBL)を通して情報科学の奥行きを経験する。
3年次には幾つかの研究室を回り、情報科学やその実社会への応用、関連分野との関係、基礎分野の広がりを経験する。そして、4年次には研究室を1つ選び、担当教員や大学院生の指導を仰ぎ、議論しながら最新の研究を行う。また、通常の学科講義とは別に、飛び入学生を対象とした少人数セミナー形式の授業や海外研修等があり、 優れた能力・資質を早いうちから育成する環境も用意している。
千葉大学の飛び入学制度(=先進科学プログラム)は、高校2年修了後、通常より1年早く大学に入学して「若い才能」の発掘と科学者育成を促進する制度。1998 年にスタートし、日本初の飛び入学生を受け入れた。現在、理学部・工学部・園芸学部・文学部の4学部14クラスで実施。日本唯一の飛び入学専門の推進センターも設置している。これまで71名の卒業生を輩出。うち61名(85.9%)が千葉大学、東京大学、京都大学などの大学院、マサチューセッツ工科大学やラトガース大学など海外の有名大学院へ進学、また、教員や研究者、実業家として独り立ちするケースも増えている。