女性医師のワークライフを応援するWEBマガジンを運営する株式会社エムステージは、現在世間をにぎわせている東京医科大学の女子一律減点に関し、医師を対象とした緊急アンケート調査を実施。医師の65.0%が東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」 と回答した。
調査によると、103名の医師に、東京医科大学の入試において女子が一律減点されることへの意見を問うと、女子の一律減点に「理解できる」「ある程度は理解できる」とした医師は65.0%だった。
理由として、「許容はできないが、やっぱりこういうこともあるのかという気持ち。実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多いので、働ける男性を優先されることについて、大きなことを言えない。(小児科)」「そういうものだと予備校時代から言われていた。だから女子学生は何倍も努力して、成績もトップ層にならなければ受からないと言われていた。だからそのつもりで勉強していた。(呼吸器外科)」などの意見が寄せられた。
「理解できる」と回答したのは、女性医師の妊娠・出産・育児による職務への影響が、男性医師や未婚女性医師へ負担を与えているという不公平感から。周りに負担をかけているため仕方ないという諦めの声が多く聞かれた。また、点数操作はあるものだと思っていたという医師も一定数見受けられた。
一方、「理解できない」医師からは、妊娠・出産・育児で辞めざるを得ない女性医師がいるという根本的な問題を解決すべきとの意見が多数。公表していない点数操作は詐欺と怒りの回答や、不正に落とされた受験生を慮る声も寄せられた。
次に、自身もしくは知人などが、これまで不当な差別や扱いを受けたかの問いには、「うちの病院にいる間は妊娠しないでね、と言われたことがある。(整形外科)」「月経困難で、緊急手術に入れそうになかったとき、理解のない医師からは非難・笑いのネタとなった。(心臓血管外科)」「“どうせ教えても無駄になるんだから、女のお前には何も教えてやる気にならない”と面と向かって言われた。余りにも言われ続け、自分でも“結婚や出産で戦力外になる可能性もある”と思うと特別な経験が出来る機会を本当は挑戦したいのに辞退した。」等の意見が寄せられた。
一方、残された男性医師や未婚女性医師だけでフォローしなければいけない体制への不満もあり、妊娠・出産・育児を行う女性医師が差別の対象となってしまう医療現場自体に課題があると考えられる。今後の医療業界に必要なこととして、ワークシェアや男性の育児休暇取得、主治医制撤廃など、働き方の改革への意見が多く挙げられた。そのためには、“医者は24時間365日患者ファーストであるべき”など国民の意識改革も必要になるとの意見もあった。