数字の「1」が秘められ、人と人とが向き合うことで新しい未来を築いていく姿や、
力強さ、先進性といったイメージを表現したデザインになっている。
多くの人に、この取り組みを知ってもらうために、新しくコミュニケーションマークと、キャッチコピーも作った。「はじまりを、つくる」「RESEARCH!=研究力」のキャッチコピーが示すように、同学が教育方針として掲げる「研究力」を礎として、「専門力」「人間力」「若い力」を育み、そして学術界、産業界、ひいては地域に未来の種を蒔き、育てていくという想いが込められている。
「研究力サイト」には、静岡理工科大学が取り組む研究についてのコラムがならぶ。もちろん、専門的な内容ではあるけれど、読んでみると、同学の研究者がどのような研究に取り組み、私たちの社会の中でどのように役立っているのか、役に立つのか。丁寧に書かれており、自分の生活に照らし研究を身近に感じたり、その研究にかける研究者の想いも知ることができる。
静岡県に唯一の私立理工系大学。その規模は決して大きくはないが、理工系大学として多彩なテーマに取り組み、その研究室は69にのぼる。(2018年度)
地域に開かれた大学として、「先端機器分析センター」や「やらまいか創造工学センター」などの県内有数の研究・教育施設も持ち、地域社会の活性化に貢献する高いポテンシャルを有す。例えば、「先端機器分析センター」は、粉末X線回折装置(XRD)や電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)など高額な分析機器を27機種もそろえ、学内の研究者や学生が利用する共同施設のほか、外部の人にも開放する地域の分析センターという側面も担っている。
これまで88の地元企業・教育機関が利用登録し、実際に年間200件以上の利用があった。地元には、高額な機器を自前で持つことが難しい企業もある。低料金で利用できるこのサービスは、「地域の分析センター」として地元企業の研究力に貢献したいという同学の姿勢が反映されている。さらに、先端機器分析センターでは、技術職員によるサポートを充実させ、高度な分析機器を地元企業に積極的に利用してもらえる環境作りにも配慮している。こうした取り組みから、地元企業との共同研究も増えつつある。
このように静岡理工科大学は、理工系大学が果たすべき社会的役割として、地域社会が抱える課題解決のための技術支援・技術開発を積極的に行っている。この研究力サイトもその一つだ。
今回のサイトの立ち上げをきっかけに、研究成果や産学官連携の進捗、これからの技術動向の紹介など、様々な情報発信を通じて、静岡理工科大学の取り組みを多くの人々に知ってもらい、新たな共同研究や地域連携のきっかけをつくり、そして、その研究の成果を地域社会に還元し、新しい未来をともに創っていきたいと考えている。
学内でも異分野の研究者がグループを立ち上げ、未来を考える新たな研究への取り組みも始まった。静岡理工科大学の中で培われてきた研究が、縦のつながりだけでなく横へと広がり、企業、社会へと、歩みを進めている。
大学という教育機関であると同時に、その先の未来をつくる地域社会の一員として、社会から求められているものに応え、発信を続けていく静岡理工科大学。新しい研究についても、順次、研究力サイトで紹介される予定だ。
静岡理工科大学が取り組む研究がどのように地域や産業界に広がっていくのか、これからも「研究力サイト」に注目していきたい。
参考:
静岡理工科大学「研究力サイト」