埼玉工業大学は9月1日から、埼玉県深谷市で進めている自動運転公道実証実験の走行範囲を拡大するとともに、実験期間も当初計画より1年延長する。さらなる自動運転技術の向上を目指し、実験を強化する狙いがある。
埼玉工業大学によると、公道での実証実験はJR高崎線岡部駅と大学間の周辺で進められているが、9月以降は国道17号や深谷バイパスなどに広げ、実験期間を2019年3月末から2020年3月末へ延ばす。
実験に使用している車両はトヨタプリウスを改造した車で、エンジンの始動や停止、シフト切り替えなどをコンピューターで操作できる。車両の上部、内部に取り付けた各種装置で自動運転に必要な情報などを計測している。
実験は警察庁がまとめた公道実証実験のガイドラインに沿って進められている。自動運転中の運転席には運転免許を持ち、自動運転システムを理解した運転手が常にハンドルに手を添えられるように搭乗している。
埼玉工業大学は2016年、創立40周年の記念事業で次世代自動車プロジェクトを立ち上げ、自動運転の研究をスタートさせた。これを受け、2017年12月から地元深谷市の協力により大学周辺の公道を使った実証実験に入っている。
内閣府の大規模自動運転実証実験に私立大学で唯一参加する一方、6月には自動運転実証実験に関する大学発ベンチャーのベンチャーフィールドオートを設立した。