中央教育審議会の大学分科会、将来構想部会は合同会議を開き、2040年に向けた高等教育のグランドデザイン答申案を公表した。18歳人口の減少と社会構造の大きく変化することを受け、1つの国立大学法人が複数の国立大学を運営できる仕組みの創設を求めるなど、大学の生き残りを強く意識している。
文部科学省によると、答申案は18歳人口減少への大学生き残り策として
・1つの国立大学法人が複数の国立大学を運営する
・複数の大学が国公私立の枠組みを超えて「大学等連携推進法人(仮称)」を設立、単位互換など連携をしやすくする
・私立大学の学部単位での事業譲渡を円滑に進める
・地域の産学官連携に向け、地域連携プラットフォーム(仮称)を立ち上げる
-などを挙げ、それぞれ実現に必要な法整備、ガイドラインの策定を求めている。
このうち、1つの国立大学法人が複数の国立大学を運営することについて、名古屋大学と岐阜大学、静岡大学と浜松医科大学、北海道の帯広畜産大学、小樽商科大学、北見工業大学でそれぞれ計画が明らかになっている。
特に人口減少が深刻な北海道や東北、山陰、四国では、国公私立の枠を超えた連携の模索も水面下で始まっており、国の法整備が進めば連携や統合の動きが一気に加速しそうだ。