城西大学(埼玉県坂戸市、藤野陽三学長)の経営学部と経済学部は、学部の枠を超えた初めての「合同ゼミ」を3回にわたって実施した。普段は交流する機会のない他学部・ゼミのメンバーとともに目的を達成する経験を通じて、知識的な学びだけでなく多様な人と協力して新しいものを創造する「協創力」を育むのがねらいだ。
合同ゼミを行ったのは、経営学部の柴沼真教授のゼミと経済学部の浅原知恵教授・井上直子准教授のゼミで、いずれも2年生の必修授業。5月31日の授業では、マネジメントにおけるPDCAサイクルと意思決定の方法であるOODAループを学ぶため、約60人がゼミ混合の10チームに分かれて「ストロータワー」の課題にチャレンジした。このアクティビティは、ストロー50本とテープだけで、できるだけ高い自立するタワーを作ることを目指すもので、床から天井に達する高さのタワーを完成させたチームが優勝した。
この日の授業では「事前に計画したことが実際にやってみるとうまくいかないことが多く、そのときに解決策を考え実行できると対応力も上がり、どんな問題にも落ち着いて向き合っていけると思った」(経済学部)、「PDCAサイクルとOODAループは、どちらも今後の社会において必要な場面が必ず出てくると思う。今回経済学部とこのように楽しく2つの仕組みを学ぶことが出来て良かった。コミュニケーション能力も上がったと思う」(経営学部)といった、実践の中から学習した内容を活用したいというコメントが多く寄せられた。
また、6月21日の授業では、多数決やじゃんけんによらず、対話のみによる合意形成を目指す「コンセンサス実習」に取り組んだ。「仮病を使う」「親の写真を踏む」など、「高校生として望ましくない行動」として用意された5つの選択肢を各自が望ましくないと思う順に並べた後、グループでの合意を目指して話し合った。様々な意見が飛び交うグループ、話し合いが行き詰まるグループなど対話の様子は様々。「自分にはない考え方を持っている人が多くて面白いと感じることが多かった」(経営学部)のように価値観の多様性を前向きにとらえる機会となった学生、「質問や反対意見への説明によって納得出来た部分がたくさんあったので、全員が納得できるまで考え方の違いについてできるだけ多く質問すべきだと思った」(経済学部)のように合意形成には他者理解が重要であることを発見する機会となった学生など体験を通した気づきも多様だった。