印刷大手の凸版印刷は北里大学、相模原市消防局、ソフトバンクと連携して救急現場でのリアルタイム映像伝送システムの実証実験を相模原市で始めた。システムが社会実装されれば、医療従事者が救急現場の映像にアクセスできることにより、より多くの命を救うことができると期待されている。
凸版印刷によると、実証実験は医療従事者の本人確認や保有資格の確認ができる凸版印刷の本人確認アプリと、スマホカメラの映像を見ながらコミュニケーションが取れるソフトバンクの「ビジュアモール ビジュアルトーク」を連携させ、医療従事者が現場の映像にアクセスできるシステムを構築するのが目的。
実証実験の期間は2024年3月15日までで、相模原市内で119番通報があった救急案件のうち、北里大学病院へ搬送するケースを対象に、北里病院の医師や看護師が相模原市消防局の救急車や通報者からの映像を確認するとともに、別室にいる他の医師らへの情報伝達にリアルタイム映像伝送システムを活用、有用性を評価する。
凸版印刷は北里大学、ソフトバンクとともに、北里大学病院の医師や看護師と北里大学のドクターズカーがリアルタイム映像伝送システムを使って1年間に126件の映像伝送をしたところ、高度な医療処置の判断などに9割以上の医療従事者が有効と感じた。今回の実証実験はその成果を踏まえ、さらに社会実装に向けて一歩踏み込む。
参考:【北里大学】救急現場におけるリアルタイム映像伝送システムの実証実験を相模原市で開始 119番通報の現場と医療機関の間における安全で効果的な情報伝達の実現を目指す