専門分野の限界を押し広げ、人々の暮らしや環境を改善したアジアの科学者を表彰する「アジアの科学者100人」2023年版に、東北大学大学院歯学研究科の佐々木晴香助教が選ばれた。シンガポールの科学誌「アジアン・サイエンティスト・マガジン」が選出したもので、喘息とメラトニンの関係を明らかにした研究成果が高く評価された。
東北大学によると、アジアの科学者100人はアジアン・サイエンティスト・マガジンが2016年から毎年、各国の国内賞を受けるなど顕著な活躍を示したアジアの科学者を選んでいる。
佐々木助教の受賞理由は「メラトニンMT2受容体を介した気管平滑筋収縮増強機構の解明」。佐々木助教は研究の中で、夜間に血中濃度が最大になるホルモンであるメラトニンが気管平滑筋の収縮を増強することで喘息発作の悪化に関係している可能性や、喘息発作治療薬の効果を弱めることで治療の妨げになっている可能性を明らかにした。佐々木助教はこの研究で2022年、第17回ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞の生命科学分野を受賞している。
アジアの科学者100人2023年版には、佐々木助教のほか、アジア失明予防の会の服部匡志さん、東京大学生産技術研究所の杉原加織准教授、明治大学農学部の戸田安香特任講師、広島大学大学院先進理工系科学研究科の片山春菜助教ら合計12人の科学者が選ばれている。
参考:【東北大学】歯学研究科の佐々木晴香助教がアジアの科学者100人に選出されました
【Asian Scientist】Celebrating Groundbreaking Science With The Asian Scientist 100