Warning: include(crawler/jobboard.php): failed to open stream: No such file or directory in /home/univdev/univdev.wpx.jp/public_html/wp-content/themes/univ-journal/functions.php on line 284

Warning: include(): Failed opening 'crawler/jobboard.php' for inclusion (include_path='.:/opt/php-7.4.33-2/data/pear') in /home/univdev/univdev.wpx.jp/public_html/wp-content/themes/univ-journal/functions.php on line 284
うつ病の3タイプを同定、抗うつ剤が効かないタイプも 沖縄科学技術大学院大学など - 大学ジャーナルオンライン

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者らは、奈良先端科学技術大学院大学と広島大学との共同研究で、うつ病の3つのタイプの同定に成功。うち1つのタイプは抗うつ剤による治療が難しいことを発見した。

 「選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)」は最もよく処方される抗うつ剤で、脳内のセロトニン(神経伝達物質)のレベルを高めることで効果を表すとされる。しかし、誰にでも同じ効果があるとは限らず、服用しても改善されない場合もあり、その理由は不明だった。

 今回の研究では、新たにうつ病と診断された患者と健常者(各々67人、計134人)を対象とし、問診調査と血液検査によりデータを収集した。また、磁気共鳴イメージング(MRI)を用いて脳の様々な領域の活動パターンを解析した。さらに、新たに統計的手法を開発し、個人の精神的健康状態を評価するのに重要な特質と関連するデータ項目の同定に成功。その結果、うつ病の異なる3つのタイプ(サブタイプ)を明らかにした。

 脳の異なる領域が同期的に活動するパターンを機能的結合と呼ぶ。うつ病の3つのタイプは、この機能的結合および小児期のトラウマ経験の有無という2つの要因によって特徴づけられた。 小児期にトラウマを経験し、脳領域間の機能的結合度が高まっている患者は、SSRI抗うつ薬治療に反応しないタイプのうつ病であることが判明した。その他の2つのタイプのうつ病患者は、脳領域間の結合が増加していないか、小児期にトラウマを経験していない患者で、SSRI治療によく反応する傾向があった。

 今回の研究は、うつ病の神経生物学的側面の研究に有望な方向性を提供するもので、効果的な治療に役立つことが期待される。

論文情報:【Scientific Reports】Identification of depression subtypes and relevant brain regions using a data-driven approach

広島大学

自らの人生をデザインするための学び。100年後にも世界で光り輝く大学

「平和を希求する精神」「新たなる知の創造」「豊かな人間性を培う教育」「地域社会・国際社会との共存」「絶えざる自己変革」の5つの理念の下、12学部4研究科1研究院を擁する総合研究大学。教育力・研究力を両輪とした大学改革を推進しながら、グローバル人材を持続的に輩出[…]

Avatar photo

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。