実際の企業の課題をテーマに扱う「2023年度大学生コンサルティングコンペティション(ConCom)」決勝大会が2023年9月16日に東海大学品川キャンパスで開催され、東京理科大学理工学部3年生で編成されたチームが1位を獲得した。
今回の課題は、短距離・ラストワンマイルに特化した物流ソリューションを展開する株式会社エニキャリが物流2024年問題を解決するために提示した「有効な大学生アルバイト配達員獲得方法」。決勝大会には、一次審査の書類選考を通過したファイナリスト10チームが出場し、大学生たちが斬新なアイデアを競い合った。
優勝したのは、東京理科大学理工学部3年生のチーム「ふんわりきつね」。配達員同士のコミュニケーションを活発化することをテーマに、バイト配達員のフォトコンテスト開催や友だち紹介キャンペーンといったコミュニケーション施策に加え、大学内デリバリーサービスといった学生のニーズにフォーカスしたアイデアを盛り込んだ。
第2位は、東海大学の「チームスズキ」。部活動やサークルなどの大学団体を起点としたリファラル採用の仕組みを確立して人材獲得を行うというアイデアだった。
第3位は、高千穂大学の「IOW」。学食の割り箸袋に広告掲載するという今回の採用ターゲットである学生への訴求に絞り込んだアイデアで、事例などを盛り込んだスマートなプレゼンに、審査員からは「広告代理店のビジネスパーソンのようなプレゼン」という評価の声があがった。
そのほか、十文字学園女子大学の「にんじん8」が自転車配送に着目し、自転車競技団体に所属している学生にターゲットを絞った広告アイデアで奨励賞を受賞。法政大学の「ちーまる」が女性が働きやすい環境や、女性利用者が女性配達員による配送を指定できる仕組みなど、女性比率が少ない物流業界における女性の活躍に着目したアイデアで審査員特別賞を受賞した。
株式会社エニキャリの小嵜秀信代表取締役は「どのチームの提案内容も素晴らしく、それぞれのチームメンバーの強みを生かした提案で、どの提案もすぐにでもビジネスの現場で使えそうなものばかりであったことには、大変驚いております。この後のアクションパート(アイデアを実践で行ってみるプログラム)でも、精一杯協力をさせて頂きますので、さらに多くの経験を積んで頂ければ嬉しく思います」とコメントした。
ConComでは、解決アイディアの発表を行うプレゼンテーションパートだけでなく、課題提供企業とともにアイデアを具体的に形にする「アクションパート」も設けられている。原則としてプレゼン大会での優勝チームのアイデアを、その後半年ほどかけて課題提供企業と共に具現化していくインターンシップの側面をもつ取組み。優勝チームだけでなく、プレゼンテーションパートに参加した全チームのメンバーから募集され、希望する人は誰でも参加できる。
参考:【株式会社エニキャリ】東京理科大チームが物流2024年問題を解決する配達員採用案を競う学生コンペ1位、バイト配達員同士のコミュニケーション活性化をテーマ