岡山大学はデロイトトーマツグループのデロイトトーマツコンサルティングとクラウド型患者管理ソフトウエアを活用した患者サポートプログラムの共同研究を始めた。治療に対して患者の関与を高め、医療の質向上と効率化を兼ね備えた統合ケアの実現を目指す。
岡山大学によると、共同研究では実際の医療現場で発生している問題点を洗い出したうえで、医療従事者と患者のニーズを特定、ソリューションのプロトタイプを開発する。共同研究には岡山大学病院の大澤晋講師、デロイトトーマツコンサルティングの西上慎司執行役員らが当たる。
ソリューションには患者の積極的な関与を生み出すため、医療機関内の臨床データ、患者の非臨床データを統合するほか、医療従事者と患者が双方向のコミュニケーションを取れるクラウド型患者管理ソフトウエアを活用する。
超高齢化社会に突入した日本では、医療機関の入退院業務が複雑化して負担が急速に増加しており、入院患者に対する一貫した支援の構築が急務になっている。その一方で、医療現場は高レベルのリスクマネジメントが求められ、全体最適化した統合ケアの構築が容易でない側面が指摘されている。