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新規抗原を藤田医科大学とホーユーが発見、小麦アレルギー患者の診断精度が向上 - 大学ジャーナルオンライン

 藤田医科大学とヘアカラーで知られるホーユー株式会社は、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)の新規抗原を発見した。本抗原の特異的IgE抗体測定は、WDEIAの診断精度を大きく向上させると期待される。

 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)は、普段は小麦を摂取しても発症せず、運動や非ステロイド性抗炎症薬の服用などの二次的要因が加わることでアレルギー症状が誘発される病型で、成長してから発症した小麦アレルギー患者に多くみられる。一般的に診断に使用される「ω-5 gliadin」特異的IgE抗体検査では、WDEIA患者の約80%に対して陽性診断が示されているが、約20%は検出されないことが課題だった。

 今回発見した「α/β gliadin MM1」特異的IgE抗体は、その残り約20%の患者でも検出され、既存検査との併用で、これまで診断がつかなかったより多くの患者を診断できることが期待される。

 「α/β gliadin MM1」は、世界保健機関および国際免疫学会連合のアレルゲン命名小委員会(WHO/IUIS)に新規抗原として認められ、「Tri a 21.0201」と命名され、2023年9月に抗原データベースに登録された。

 「ω-5 gliadin」特異的IgE抗体が陰性のWDEIAでは、精査のために小麦摂取後に激しく運動する(必要に応じてアスピリン内服を併用する)ことで発症を確認する“経口負荷試験”が行われることがあるが、患者の体への負担やリスクは大きい。「α/β gliadin MM1」特異的IgE抗体検査は、その負担やリスクを回避できると期待される。

 現在、「α/β gliadin MM1」特異的IgE抗体検査は保険適用外の検査項目だが、ホーユー株式会社のアレルギー受託解析サービスで実施することが可能となっている。

参考:【藤田医科大学】小麦アレルギー患者の診断精度を向上する 新規抗原「α/β gliadin MM1」を発見

藤田医科大学

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