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わずか1.5 mの落下塔を用いて微重力環境下の惑星形成過程の粒子衝突を模倣 - 大学ジャーナルオンライン

 名古屋大学大学院環境学研究科の桂木洋光准教授はドイツのブラウンシュバイク工科大学との共同研究により、微重力下では、粉体クラスターの堅さや脆(もろ)さに関係なく、衝突による膨張が同一のエネルギー分配法則で説明できることを発見した。

 太陽系形成の初期段階では、微小な固体粒子が凝集を繰り返してできた空隙率の高い粉体クラスターが多数存在していたと考えられている。通常、宇宙空間を模した微小重力実験実施には、大規模な落下塔や飛行機による自由落下飛行などが必要となるため、大きなコストを要する場合が多いが、同研究グループは、わずか1.5 mの実験室落下塔を用い、粉体クラスターと固体弾との衝突実験を世界で初めて実施した。

 稠密な堅いガラスビーズおよび高空隙率の脆いダスト凝集体を用いて、衝突速度を変化させて実験を行った結果、粉体クラスターの堅さや脆さに関わらず、すべての実験結果が同一のエネルギー分配法則で説明できることを見出した。つまり、堅い粉体も脆い粉体も同じ膨張様式に従うのだ。実験結果によると、衝突前の弾丸が持つ運動エネルギーのうち、約15%は弾丸に残り、約5%が粉体クラスターの膨張に分配され、およそ80%あまりが粉体クラスター内の熱や変形に失われるとのことだ。

 本手法は、今後、宇宙の微惑星の形成過程において、「高空隙率粉体クラスターがどのように成長したのか」などの詳細モデルを構築する際の一助となることが期待される。

論文情報:【Physical Review Letters】Impact-Induced Energy Transfer and Dissipation in Granular Clusters underMicrogravity Conditions

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