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日本社会の将来にこの10年の大学改革が大きな影響 - 大学ジャーナルオンライン

 中央教育審議会の大学分科会、将来構想部会の合同会議が東京都港区のTKP赤坂駅カンファレンスセンターで開かれ、日本社会の将来像についてAI(人工知能)を活用したシミュレーション結果が報告された。少子高齢化と産業構造の変化で成長・拡大社会から成熟社会へ移行する中、2050年の日本は持続可能性が高い良好な方向と、持続可能性が低い悪い方向になる両方の可能性があるとしている。

 シミュレーションは日立製作所日立京大ラボと京都大学こころの未来研究センターの協力を得て、文部科学省高等教育局が行った。日立製作所のAI技術を使ったシミュレーションを省庁が実施するのは初めてになる。

 日本社会で必要と考えられる高等教育関係17を含む166の社会的要因を設定し、AIを活用して2050年に向け、2万通りのシミュレーションを実施。その結果を人口、財政、都市・地域、環境・資源という4つの持続可能性、雇用、格差、健康、幸福、教育の5つの社会的パフォーマンスで評価した。

 それによると、2万通りのシミュレーションは大きく分けて8つのシナリオに収れんした。それをさらに大括りで区分すると、持続可能性、社会的パフォーマンスが高く、高等教育が充実している3つのシナリオと、いずれも中程度の1つのシナリオ、いずれも低い4つのシナリオに分類される。

 良好な方向と悪い方向の分岐点は2027~2028年ごろとされ、その後交わることがないことも分かった。さらに、2034~2035年ごろに良好な方向から中程度のシナリオが分岐する。

 文科省は日本社会の将来を見据えると、高等教育の質向上が持続可能性や社会的パフォーマンスに寄与する度合いが高いとし、2027~2028年ごろの分岐点までに大学改革を着実に実行する必要があると強調した。特に重要な項目として教育の質向上、大学進学率のアップ、地方大学の振興を挙げている。

参考:【文部科学省】大学分科会(第145回)・将来構想部会(第9期~)(第29回)合同会議配付資料

京都大学

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