国立情報学研究所(NII)と株式会社oricon MEは、オリコンが保有する「オリコン顧客満足度®」の調査データを学術研究分野で活用促進することを目指して提携し、「オリコンデータセット」として2019年7月1日より提供を開始した。
「オリコンデータセット」は、オリコンが2006年から蓄積してきた日本最大級の調査データ(約100の産業・累計200万人以上の回答)をできるだけそのままのかたちで学術研究コミュニティー向けに提供するもの。従来は個人情報やプライバシーの適正管理の面で研究者へのデータ提供が難しかったが、NIIが窓口となり定期的に利用者の利用状況や研究成果を把握する仕組みを整えたことで、オリコンからのデータ提供が実現した。
今回の提携によって、学術コミュニティーは現実に即したデータを利用した実践的な研究が可能となる。NIIが従来提供してきたデータセットと相補的に活用することにより、マーケティング分野をはじめ、それ以外の多様な学術文化での新たな技術・サービスの発展やビジネスチャンスの創出が期待されている。さらに、このような実データで研究するチャンスを大学生・大学院生を含む若手研究者へ提供することで、データサイエンスにおける教育や人材育成への貢献にもつながる見通しだ。
このデータセットは、NIIのデータセット共同利用研究開発センターが運営する情報学研究データリポジトリを通じて、まず2016年以降の調査データ(回答67万人分)から提供を開始し、その他のデータも準備が整いしだい順次追加予定。