民間信用調査機関の帝国データバンクは日本で初めてのデータサイエンス学部を2017年に開設した滋賀大学と共同研究センターを設立した。企業データを機械学習する際に必要となるデータの構造的な整理(研磨)や加工ができる人材を育成するとともに、実際の企業データを使って研究を進める。
帝国データバンクによると、共同研究センターは滋賀大学で開講しているデータ研磨の集中講座を受講し、一定レベルのノウハウを身に着けた学生を研究支援者として採用し、実際の企業データを使ったデータ研磨の実務、機械学習で高度なデータエンジニアを育成するほか、実践的な共同研究に着手する。
当面は大阪市旭区に本社を置く鋼材メーカー・能勢鋼材が持つ営業と物流のデータを研磨し、企業ビッグデータといっしょに機械学習することにより、生産や素材管理、配送活動の最適化を目指した研究をスタートさせる。今後は共同研究の募集も進める。
企業活動で機械学習をする場合、学習機が学習しやすいように膨大なデータを分析し、データの研磨や加工が必要になる。しかし、データの研磨や加工は教育現場であまり教えられておらず、自主学習に委ねられることが多く、データ解析の精度を上げるために教育研究の充実が急務となっていた。このため、帝国データバンクと滋賀大学が2017年に結んだ包括連携協定を発展させる形で取り組むことになった。