筑波大学、大阪大学、京都大学、名古屋大学の研究グループが古代アッシリアの占星術レポートを解析し、紀元前660年ごろのオーロラとみられる現象の記録を発見した。これまで確認されていた最古のオーロラ記録より約100年古い。
筑波大学によると、研究グループは筑波大学人文社会系の三津間康幸助教、大阪大学大学院文学研究科の早川尚志大学院生、京都大学生存圏研究所の海老原祐輔准教授、名古屋大学宇宙地球環境研究所の三宅芙沙准教授ら。
研究グループは紀元前8世紀から7世紀にかけ、現在のイラク北部に当たるアッシリアで粘土板にアッカド語で記された占星術レポートを解析、オーロラを記録したとみられる記載を3点確認した。
粘土板は英国の大英博物館に所蔵されているもので、これら3点の記録は紀元前680年から650年ごろのものと推計される。従来知られている最古のオーロラ記録は、紀元前567年の「バビロン天文日誌」で、いずれもそれより約100年古い時期に当たる。
樹木の年輪やグリーンランド氷床コアの調査で当時、史上最大級のSEPイベントが発生していたことが明らかになっている。SEPイベントは太陽フレアやコロナ質量放出などを起源とする太陽高エネルギー粒子の増加が観測される現象だが、高い太陽活動を裏付ける低緯度地方でのオーロラ確認などの記録は見つかっていなかった。