全国の大学、短大の97.5%が4月の学校教育法、国立大学法人法の改正を受け、内部規則の見直しなど具体的な取り組みを進めたことが、文部科学省の全国調査で分かりました。校務の最終決定権が学長にあることなど法令改正の趣旨がほとんどの大学に浸透したことになりますが、文科省は内規見直しが遅れている大学に対し、早急な改善を求めることにしています。
調査の速報値によると、内規の見直しなど具体的な取り組みをした大学は1,097校。大学運営の最終決定権が学長にあることについては、全体の44.7%に当たる503校が、改正前から内規に定めていると回答。改正後に定めたところが615校、54.7%に上りました。審議機関の教授会が決定権を持つ学長に意見を述べる関係にあることに関しては、改正前から内規に定めている大学が345校(31.5%)、改正後に定めた大学が764校(67.9%)でした。
国立大学、法人化された公立大学計165校のうち、法人化後に適用されなくなった教授会に権限を認める規定が残っているかどうかについては、改正前から残っていない大学が91校(55.2%)、改正後に内規を見直した大学が73校(44.2%)。残る1校はこの調査後に見直しており、すべての大学で対応が完了しています。
学長に求められる資質、能力、選考の手続き、方法に関する具体的な事項が学長選考の基準として国立大学の内規に盛り込まれているかについては、すべての国立大学86校で既に盛り込まれているか、次の学長選考までに対応することにしていました。
国立大学の学長選考会議が学長の仕事ぶりについて常にチェックすることに関しては、見直しをした大学が66校(76.7%)、見直しを検討している大学が15校(17.4%)となっています。