早稲田大学は、2019年11月30日、文部科学省の支援によって2011年度から始まった「博士課程教育リーディングプログラム」の集大成となるフォーラムを開催。その一環として、国公私立大学22校の学長・副学長らが一堂に会す「学長懇談会」も行われ、企業における博士人材活用についての考えをまとめた。
「博士課程教育リーディングプログラム」は、優秀な学生を俯瞰力と独創力を備えたグローバルに活躍するリーダーへ育成するため、2011年度に文部科学省の支援により開始。国内外の第一級の教員・学生を結集し、博士課程前期・後期一貫した質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援し、最高学府に相応しい大学院の形成を推進している。これまで62プログラム(33大学)が採択され、約1800名(2018年度末時点)の修了生を輩出。早稲田大学では、2012年度「リーディング理工学博士プログラム」、2013年度「実体情報学博士プログラム」が採択され、2019年度は文部科学省の事業として最終年度となるため、その集大成として「博士課程教育リーディングフォーラム」を開催することになった。
フォーラムでは、一般社団法人日本経済団体連合会 企業行動・SDGs委員長の二宮雅也氏が「経団連のSDGsへの取り組み」、東京大学 大学執行役・副学長でリーディングプログラムの設計から携わる有信睦弘氏が「博士課程教育リーディングプログラム修了生への期待」について講演。講演後は、プログラムを履修する博士課程学生および修了生138名が、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げられた17の国際目標を軸に「10年後の世界をどのように変えたいか・変えられるか」についてチームごとに議論し、各々の構想を発表した。
また、フォーラムの一環として、採択大学33校から国公私立大学22校の学長・副学長らが一堂に会して「学長懇談会」も開催。企業における博士人材活用に向けて、産学連携を見据えた大学院教育改革の成果を踏まえた活発な議論が行われた。
そこで「産業界へのメッセージ」として、『1.大学は産官とともに社会と一体となって、高度な学識をもとに新しい社会づくりを主導する博士人材を育成する仕組みを更に発展させる』『2.博士号取得者の専門性・広範なスキルや実績等の適正評価とそれを活かした企業内における更なる活躍の場の創造を期待したい』、以上2点をまとめた。