理工系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーターは、2019年12月12日、理工系外国人留学生を対象に、会社選びとキャリアプランについての調査結果を発表した。
調査は2019年9月〜11月、外国人留学生就職情報サイト「リュウカツ」の登録者を対象にして行われた。約220名の回答者の中の多くは、高学歴で日本語レベルの高い理工系外国人留学生で、本調査からはこの層のキャリア指向などが見えてきた。
まず就職したい業種についての調査では、過去大多数であったメーカーが約30%になりIT・サービス・金融を含め、全分野をカバーする結果となった。次に企業を選ぶ際に重視する点を聞いたところ、「母国に拠点があるなど、母国との関わりがある」(15.7%)や「外国人社員の採用実績がある」(12.4%)はあまり重視されていないことがわかった。また、メーカー希望者は勤務地のこだわりが低いこともわかった。
日本の企業で就職した場合、1社にどのくらい勤めたいかという質問には「1つの企業にできるだけ長く勤めたい」と回答した学生が約半数(47.0%)で圧倒的に多く、中長期的な視点でキャリアを考える、日本の企業風土にあう理工系外国人留学生が多いとわかった。一方で日本に長く働きたいと思う職場の条件に「昇進・昇給の基準が明確」が約半数(47.5%)と多く、都市部の勤務地を希望する人ほど強い傾向になった。
外国人留学生が考える強みは、「母国と日本それぞれの文化・慣習を理解している」(67.2%)、次いで「母国語と日本語など語学力がある」(59.0%)となった。特にIT業界などでは情報源が複数あることはかなりの強みと言える。
最後に日本での就職で不安なことを聞いたところ、回答者の8割近くが日本語レベル上級者にも関わらず、「敬語など日本語に自信がない」(53.0%)が1位になった。また、日本で長く働きたいと思う職場の条件として「信頼できる人間関係で雰囲気の良い職場」(67.6%)が1位になった。周りの日本人が積極的に声をかけるなどして話しやすい環境を提供することが大切と言えそうだ。