文部科学省ナノテクノロジープラットフォームは、2018年度までの約20,000件の利用課題の中から特に秀逸な成果を選定、令和元年度「秀でた利用成果」4件を決定した。
ナノテクノロジープラットフォーム事業は、最先端のナノテクノロジー施設・装置を有する25研究法人がイノベーションにつながる研究成果の創出を目指している。毎年約3000件の利用があるが、今回37の実施機関から優れた利用成果として提出された57件の候補から、選定委員会の審査により4件の「秀でた利用成果」を選出した。選定にあたっては、①ナノテクノロジープラットフォームの活用・支援が大きな効果をもたらしたもの、②イノベーションの創出にあたって大きな影響が期待できるもの、③産業界・大学・公的機関の連携により大きな成果が得られたもの、という3つの基準から審査された。
最優秀賞には名古屋大学の「ガス環境下における自動車触媒ナノ粒子のオペランドTEM観察」が選ばれた。この研究では、排ガス浄化触媒モデル材料を用いて電子顕微鏡内で窒素酸化物ガスを反応させ、ガス浄化時の触媒粒子の原子レベル構造変化と排出ガス組成の変化を同時に、リアルタイムに直接観察した。自動車の排気ガスを浄化する触媒の重要性が高まる中、この技術は次世代の触媒開発に大きく貢献する事が期待される。
優秀賞には、東北大学の「小型マイクロステージの開発」、東京大学の「光触媒機能・超親水機能を兼ね備えた反射防止誘電体多層膜」、名古屋工業大学の「BiFe1-XCoXO3薄膜のスピン構造変化」が選ばれた。
参考:【国立研究開発法人物質・材料研究機構】文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム令和元年度「秀でた利用成果」の発表について