2019年12月23日より、埼玉工業大学はスクールバスの自動運転の導入に向け、公道による実証実験を開始した。埼玉県深谷市の埼玉工業大学のキャンパスと最寄り駅のJR高崎線岡部駅をつなぐ公道約1.6km間を走行する。2020年度以降の本格運行に向け、スクールバスの臨時便として不定期に走行し、実験を重ねる。
現在、全国各地で自動運転の取組みが行われているが、学生や教職員を乗せる私立大学のスクールバスとして、一般車両が走行する公道を走行するのは今回が初めて。安全確保のためにプロのバスドライバーは搭乗するものの、ハンドルとアクセル・ブレーキはAIによる自動制御によるレベル3で、法定速度(時速40km)で走行する。
バスの車内にはディスプレイが設置されており、カメラによる画像データをリアルタイムで解析した結果や、AIによる自動制御の仕組みがわかるように各種情報が表示される。同大学では2019年4月より工学部情報システム学科にAI専攻を設置するなど、AI人材の育成を強化しており、こうした取り組みを通じて通学中も体験的にAIを学べるようになっている。
埼玉工業大学が2019年4月に設立した「自動運転技術開発センター」では、今後、自動運転機能を持つ福祉車両の開発や先端 AI技術を活用した自動運転技術の研究、自動運転を題材にした実践的な AI人材育成などの課題にも取り組んでいく。