慶應義塾大学と投資銀行、証券持株会社の野村ホールディングス(東京、永井浩二CEO)は、大学発ベンチャー企業に対する投資を目的とした新会社「慶應イノベーション・イニシアティブ」(山岸広太郎社長)を12月に設立することで合意しました。新会社は慶應義塾大学の研究成果を活用したベンチャー企業投資のためのファンドを組成、新産業創出を支援します。
新会社は慶應義塾の関連会社である慶應学術事業会(東京、平尾保弘社長)の下に設置されます。資本金は5,000万円。慶應学術事業会が80%、野村ホールディングスが20%を出資します。2016年度の上半期を目標に金融機関や事業会社からの出資を募り、ベンチャーキャピタルファンド(投資事業有限責任組合)を組成、慶應義塾大学発のベンチャー企業に投資を始める計画です。
慶應義塾大学は産学官連携を一元的に管理する研究連携推進本部を設立し、ベンチャー企業の創造、育成に努めてきました。医学部や理工学部、湘南藤沢キャンパスで生まれた国内外の特許の中から、知的資産の提供をしてきた結果、1998年以来13社の慶應発ベンチャー企業が生まれ、うち「ブイキューブ」、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」、「サンバイオ」の3社が上場を果たしています。
清家篤慶應義塾長は「本学が進める特色のある研究の成果を社会に還元し、持続可能な社会を築くことが使命と考えている。今回の新会社設立で研究成果による社会貢献をより一層進めていきたい」とコメントしています。