大阪府立大学と大阪市立大学が共同で運営する博士人材育成プログラムが、文部科学省の事後評価で最高のSを取得した。定点評価のシステムを取り入れたカリキュラムや企業幹部経験者による実務研修などが高く評価された。
大阪府立大学によると、博士人材育成プログラムは2013年度に文部科学省から採択され、産業界を牽引できる高度研究人材を育てている。システム思考とデザイン思考を兼ね備えた起業家精神を養うため、学生はワークショップで企業や金融、地方自治体関係者らと議論するほか、3カ月以上の異分野研究、海外留学、企業インターンシップを経験している。
その結果、2019年11月時点の修了者19人のうち、16人が企業、2人が産業界とのつながりを重視する公的研究機関、1人が国立大学助教となり、活躍している。
事後評価は博士課程教育リーディングプログラム委員会の下に類型別審査・評価部会を設置、リーダー養成の学位プログラム構築や修了者の成長、事業の定着度などを審査して結果をまとめた。
プログラムコーディネーターを務める大阪府立大大学院工学研究科の藤村紀文教授は「現代はことづくり(※1)と呼ばれる産業シフトが始まっている。『もの』の開発に『こと』の考え方を融合し、産業界を牽引する人材を送り出していきたい」とのコメントを発表した。
※1 ことづくり 顧客がその商品を使ってやりたいことは何かをマーケットの視点から俯瞰的に考え、ビジネスを作ること
参考:【大阪府立大学】大阪府立大学と大阪市立大学が共同で運営する博士人材育成プログラムが事後評価でS評価を取得
【日本学術振興会】平成25年度博士課程教育リーディングプログラム事後評価結果