2020年5月28日、千葉商科大学は2021年度入試の日程後ろ倒しを決定した。また、出願資格を見直し、2年生までに取得でき得る基準に変更する。長期休校による学習の遅れやクラブ活動の中止、準備してきた検定試験が受験できない等、受験生が抱える不安を少しでも解消するための対応で、文部科学相が「6月中」と語った内容に先んじて決定した。
「大学入学者選抜実施要項」は、例年、6月上旬に発表されている。2021年度入試に関しては、文部科学相は5月29日の記者会見で「全国高等学校長協会へのアンケートを踏まえて日程を決め、6月中に発表する」としていた。
千葉商科大学が変更を決定したのは、「学校推薦型選抜(旧:推薦入試)」と「総合型選抜(旧:AO入試)」の入試日程と出願資格の基準。入試日程は以下のように変更した。
●「学校推薦型選抜」(指定校制学校推薦型選抜・公募制学校推薦型選抜)
変更後/11月29日
変更前/11月22日
●「総合型選抜」(給費生総合型選抜)
変更後/10月24・25日(学部により日程が異なる)
変更前/9月26・27日
●一般総合型選抜と文化・スポーツ実績総合型選抜
変更後/11月15日
変更前/10月25日
次に出願資格について、「学校推薦型選抜」の公募制学校推薦型選抜(検定資格評価型)、「総合型選抜」の給費生総合型選抜(検定資格評価型)では、大学が指定する各種検定試験を級やスコアによってポイント換算した出願資格を設けている。これを各種検定試験の実施中止により受験ができなくなった生徒へ配慮し、以下のように見直した。
●公募制学校推薦型選抜(検定資格評価型)
変更後/大学の指定する検定試験ポイント表において、合計4ポイント以上取得
変更前/合計5ポイント以上(3ポイント以上の資格を含むこと)
●給費生総合型選抜(検定資格評価型)
変更後/大学の指定する検定試験ポイント表において、合計5ポイント以上取得
変更前/合計6ポイント以上(3ポイント以上の資格を含むこと)
また提出する調査書についても、高校3年生1学期(前期)の成績が間に合わない場合は、高校2年生終了時の成績で作成した調査書で可とする。
千葉商科大学は今回の対応に関して「休校による学習の遅れやクラブ活動の中止、準備してきた検定試験が受験できない等の状況により自己PR不足による評価の低下につながるのではないかなどさまざまな不安を抱えていることと思います。このような状況で大学の情報を集めるのは大変かと思いますが、各大学で実施しているオンラインオープンキャンパスに積極的に参加して情報収集し、悔いのない進路決定に臨んでもらいたいと思います。」とコメントしている。