各大学がオンライン授業に踏み切って約1カ月半が過ぎた。昭和女子大学は2020年4月24日のオンライン授業開始から3週間経過した時点で、教員592人を対象にオンライン授業に関するアンケート調査を実施した。その結果、当初は4分の1を占めた課題提出型からリアルタイムの双方向型への移行が進み、開始から3週間経った時点で約6割がリアルタイムの双方型の授業をしていることがわかった。
昭和女子大学ではオンライン授業をZoom等を用いてリアルタイムで行う「双方向型」、「録画配信型」、授業の内容や課題を掲示し質問や提出物のフィードバックを行う「課題提出型」の3つのタイプから教員が選択して実施している。
事前に複数回のZoom講習会を実施したことで、当初から双方向型が54%と過半数を占めていたが、課題提出型も26%選択されていた。ところが3週目には課題提出型が10%に減り、双方向型が59%に増加した。また両方のハイブリッド型が8%から15%に増え、リアルタイム授業に移行していることがわかった。
このようにリアルタイム授業への移行が進んだ結果、9割が「オンライン授業にふさわしい内容の授業ができていると考える」と回答。学習効果についても、58%が「対面授業と違いはないかそれ以上の学習効果があがっている」と考えていることがわかった。対面授業より効果が低い(19%)、よくわからない(23%)という意見も見られるが、一様に効果を感じているのが学生の課題提出率の高さで、「ほぼ全員が課題を提出している」比率が85%となっている。
教員が考えるオンライン授業のメリットとしては、「遅刻が少なく、出席率が高い」「私語がなく集中度が高い」「寝ない」「反応が早い」「提出物が対面より期限厳守で提出される」「ブレークアウトセッションで熱心に話し合いに参加している」「PCスキルがあがる」などが挙がった。
一方で、オンライン授業になったことで、約半数の教員が対面授業よりも週に8時間以上、準備のための時間が増えたと答えている。将来的なオンライン授業と対面授業の比率については、オンライン4割(31%)、オンライン6割(26%)など、課題提出型とのハイブリッド型が支持された。
坂東眞理子理事長・総長は今回の結果を受け「大学の場合、高校までと異なり学生によって受講する講座がばらばらなため、ハイブリッドにしても学生がキャンパスに登校することになり、悩ましい。今後、オンライン授業の良さをどう活かしていくかを検討していきたい」と、今後の授業改善に反映させていく考えを示した。